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一法句 仏教の広まる世界には

私が大学から帰ってきて、輪袈裟の胸のところにワッペンをつけてきました。覚えていらっしゃる方もあるかと思いますが、そこに「兵戈無用」と書いております。
これは、浄土真宗の根本聖典の一つである「仏説無量寿経」に出てくる言葉です。
その意味は、「仏教の教えが広まるところには、兵隊も武器も必要がなくなる」ということです。今の世の中で、特に日本の中で戦争賛成という人はほぼいないでしょう。世界の宗教でも戦争はするべきではない、というように言っています。なのに、なぜ戦争や紛争・内戦は無くならないのでしょうか。
兵隊や武器などいわゆる武力が必要だと考えるのはなぜでしょうか?私はその大きな理由の一つとして、相手に対する不信感があると思います。今回のロシアによるウクライナ侵攻でも、プーチン大統領が何度も西欧諸国に対する不信感を口にしています。相手が何をしてくるかわからないから、最終手段として武器を持っていなければならない、と考えているのです。今回はその先制攻撃としてウクライナに侵攻して西欧諸国の武力がロシアに近づかないようにしているのだと主張しているとニュースで見ました。
不信感しかないお互いが武器を持っていれば、いつまでも武器を手放すことはありません。ですから、戦闘行為がおさまり戦争が終われば問題がなくなるわけではなく、その根底にある不信感をなくしていくことがあってこそ、戦争が無くなる道なのです。
仏教という教えは、そのことを教えてくださっています。仏教が広まり、仏教の考え方で物事をとらえ行動し、話し合いをしながら解決策を考えていく、そのような人たちが増えることによって、武力で物事を解決しようなどということは無くなっていくのです。
仏様が超自然的な力を使い、武器や兵隊が突然無くなるようなミラクルが起きるような話ではありません。いわば人間の成長が戦争を無くしていく、そのような教えが仏教なのです。
今NHKで「鎌倉殿の13人」という大河ドラマがあっていますね。実は浄土真宗を開いた親鸞聖人はまさにあの時代の方なのです。戦争が日本全国で起こり、同じ一族でも信じられない状況は、ドラマを見ていてもわかるかと思います。そのような社会に生きていた人たちが、阿弥陀仏の救い、親鸞聖人が解く御念仏の仏教を大事にされたことは、もう一度私たちも考えてみないといけないと思います。
どうぞ、阿弥陀さまのお話、ご法座に参加をして御法話をお聞きくださいませ。

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